最近読んだ新刊本です。
「精子提供で生まれた子どもたちの声」と言う副題がついています。
数十年前から行われてきた精子提供によって、多くの人が生まれていますが、大部分の人が自分が精子提供で生まれたと知らされずに生きているそうです。
知ってしまった人たちは、自分がこれまで積み重ねてきた親子の関係性の経験が根本からくずされることとなり、苦しんでいます。
血のつながった父親だと思っていた人は、自分とは赤の他人で、しかも父親が誰なのか誰もわからないという現実が、ある日突然自分にやってくるからです。
それもその事実は、家族が病気になる、亡くなるという自体になったときにわかることが多く、本人たちはいっぺんに多くの事実を体験しなければならない事態になります。
こどもが出来ないご夫婦にとっては、きっと希望の方法だったのでしょうが。
いつの日もそれぞれの気持ちをわかるということは本当に難しいことで、
何か自分の苦しみや悩みを解消するために方法を選んだときは、そこに巻き込まれる人たちがどんな思いをするのか、少しでもわかるよう努力をしなければいけないと考えました。
医学の専門家の気持ちはなかなかわかりませんが、一人の人間としてどこの視点に立つかが生きていく時に必要なことなのだろうと思います。
AIDで生まれるということ
非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ・長沖暁子編著
萬書房