昨年の後半は、友人から勧められて「マイプロ道場」という一般向けの講座を受講しました。
TIP*S(ティップス)(中小機構の組織の一つ)主催の、自分を見つけていくための講座です。
自分のやりたいことを、自分の生き方を振り返ることで客観的に見つめ、他者にプレゼンテーションすることで言葉にして発し、アドバイスしてもらう。
少し、ピアカウンセリングや自立生活プログラムなど、自立生活センターでやっていたことと似ている点があり、興味深く受けさせていただきました。
印象的だったのは、社会の中では自分に向き合ったり振り返る時間や、他者と分かち合う機会があまりにも足りないのだという事実を知ったことでした。
この社会で、気持ちを分かち合える人に出会えることは、奇跡に値することなのかもしれないと、やっと思えたのです。
本題から外れますが、
少し前まで、自分の生きる環境にばかり注意を向けていた私は、自分が努力しないから深い友人関係を作ることができないのではないか、と思っていた頃がありました。
友人というのは子供の頃のようにすぐできるものと心のどこかで思い続けていたのです。
人は人とは気持ちを分かち合え、わかりあえるものなのだと、そういうものなんだと思いこんでいたのです。
そこには、努力や相性や長い年月が必要ということ、その人との関係を日々大事にして初めて実現するということ、私のその人への気持ちが大事なのだということ、簡単に得られるものではないということに、なかなか気づけずにいたのでした。ようやくそのことがわかってきたのはこの10年ほどのあいだ。私の精神は幼かったのだと思います。
それでも、いろんなところに参加したりするたびに、周りの人々は楽しそうに会話をしているように見えていました。自分が話そうとするとあまりうまくいかないのだけれども、周りでは話題がいつの日も飛び交っているようなイメージでした。
人はどのように出会った人を思い、関係を大事にしていくのか。限られた共にいる時間の中で、相手のことをどのように理解していくのか。自分のことは相手に伝えたくならないのか。その疑問のようなものは心の奥から消えませんでした。
今回受けさせてもらったこの講座で、その疑問をきれいに整理できたように思います。
まず、悩みの根本は誰も変わらないということを実感できました。
私はこの体で「自分で何もできない」という状態を日々味わっていますが、それは私の持って生まれた世界のこと。私の現実に変わりなく、変えようもないことなのです。だから、自分の役割に合わないことを自分で求めても、他人から求められているように感じても、心強くやり過ごし、自分の役割を見極めるしかないのです。
マイナスイメージで書いているのではありません。役割を見極めていれば、つまり自分を知っていれば、欲に溺れる可能性を消すことができるということです。
それは誰の人生も同じことのように思うことができました。もし体が思うように動いて、自分で何もかもできていく人生がそこにあったとしても、できるからこそ人生は広がり、選んだことで自分の行きたい道にも進めるし、がんじがらめになることもあるのです。
自分の役割と違うことをやらなければならないことになった時、きっとその人は苦しみ、生きづらさを感じるかもしれません。それは私も同じ。何も変わらないと思えたのです。
そのような、人の気持ちに気付けるのは私次第。自分だけができないと思うことをやめることで、目の前の人がどのように感じながらそこにいるのか、興味が湧いてくるように感じました。
たくさんたくさん、人様の前で自分の思いを表現したことで、もう自分に集中することは終わりにしようと思えたのです。
外に目を向けて、外を理解してみようと。
こうして心と向き合うことはとても必要なことで、その時間は基本的に、他者の前では誰もがなかなか持つことができないことなんだということ。
それから、他者への多くのアドバイスや意見をうかがう機会を得たことで、人がその人の視点にたって物事を捉えて伝えられることは本当に大事なことなんだと教えていただきました。
人の話を聞ける人間になろうと思いました。自分を知り、人を知り、愛情を持ってその役を果たせるように。
教えてくれた友人に感謝しています。
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リンクの許可をいただいたので、下記に記します。
現在マイプロ道場は、7期目が始まっているそうです
TIP*S(中小機構)