2018年12月29日土曜日

同じことが起きている

私はどうしても「障害者」という枠で物事をみてしまいます。
それが私の目線だから、仕方ないと思えばそうなのだけれども。

例えば、介助の方との普段からの人間関係についても、「介助の仕事をしている」という枠で相手の方を見ていることがほとんどです。

私は普段の生活全般が一人では物理的に叶わなくて、誰かの助けが必要な日常を送っています。一人でできないということは、助けてほしいことがたくさんあるということで、誰かが家に来てくださることで日常のことが成り立っているということになります。

少し前まで、このような生活を、「人として当たり前の生活をしている」と、社会に認識してほしいと思っていました。

でも、今考えると、障害のあるなしや環境の違いなどにかかわらず、人はみな一人一人日その人特有の「特別な生活」をしているともいえるし、環境や状況をすべて自分の思うようにはできないという意味で、「人として当たり前の生活」についての思いは、それぞれが持っているのではないのかな、というのが今の私の思いです。なのであえていうことでもなく、自分の置かれている状況を理解して自分自身と共存していくことが最優先なのかもしれないと感じています。

私が置かれている環境は「一人では何もできない」という状況を助けてくださる方が来てくれるという毎日です。その中で、ある時から、自分の中にあるいろんな枠を外してみようと思うようになりました。

もちろん介助できてくださる方には介助料が支払われ、私は支援を受ける立場であるので、役割は変わりません。
変えたのは私自身の気持ちの持ちようの方でしょうか。

相手の方の気持ちを察するということを心がけて見るようになったのです。と言っても大げさなことではなく、そもそも私は人の気持ちを察したり寄り添ったりできない人格の持ち主だったので、下手でもやってみようと思っただけなのですが。

察することができないということの方が問題だったと思います。ようやく普通の感覚になろうと努力を始めたという言い方の方があっているように思います。

自分の視点を変えてみると、来てくださる方も、日々体調が変わったり、心のあり方の変化で、仕事もその時によって辛そうだったりすることも、直接聞いたりしなくてもどうにか少しは感じられるようになりました。

それでも私は直接言葉で伺ってみないとわからないことが多く、今でも確かめようとしてしまいます。

そのような一年を過ごし、ある方との会話の中で気づいたことがありました。

私が日々お世話になる方々や、接してくださる方との関係性で感じること、悩むこと、いい方向に向けて考えようとすることは、ある方が悩む日々のこと、夫婦のあり方、親子のあり方、職場での人間関係のあり方について向き合おうとすることと、実は同じなんだということです。

シチュエーションが違うと、全然違うことのように思ってしまいがちだったのですが、思っても言わないことがいいことや、どうやって自分が伝えたいことを伝えるかということ、そういうことを感じて行動する体験をしているという事実は変わらないのだと思えたのです。

人は皆、違う世界を同じ空間に立ちながら生きているけれど、知らなくてはいけないこと、気がつかなくてはいけないことは共通しているのかもしれないと思いました。

なので今の私のいただいている環境は決して特殊なものではなく、私自身が必要な人間関係やその心を知り、行動していくのに最適な環境であるだけなんだということになります。

そのことをわかっていたその方は、私が私の環境の中で向き合おうとしていることに共感してくださっていたようでした。

私は今私自身が身につけなければいけない課題に、向き合える環境に生きているということです。

「人は皆ひとりひとりがこの世界に生きながら個人授業を受けている」

確かに、私には私にあった環境で、私が向き合える実力にあった課題をもらっている、そんな気がします。
そして、この一年向き合うことに意識を向けたことで、昨年の自分と違う自分がいることを自覚することができました。

人生はいろんなことが起きるけれど、向き合う課題はそれぞれ同じようなことなのかもしれません。特に人間関係、どう人を思い、愛情を伝えるかということは、違う位置に立ちながら、人はそれぞれ同じことを学んでいるのだと思います。

年末にここに気がつけたことが嬉しく思います。私の心も、遅い歩みですが少しずつ成長しているようです。





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