Kさん。
出会いのときは覚えていないけれど、最初の思い出は、Sさんのお通夜の日。あなたは私を一晩泊めてくれました。
あのときは悲しみでいっぱいで、なにを話したかも忘れてしまったけれど。
私があなたの会をやめて、
年賀状だけのお付き合いになって十数年が経ちましたね。
今日、あなたとの最期の時間を過ごさせていただきました。
会いに行かせてくださってありがとうございました。おかげさまで昔のことが少し整理できたように思います。
お別れ会に出席して、私と7歳しか違わなかったことがわかり、ああ、あの頃もあなたは若かったんだなあと気がつきました。
辛いこともたくさんあっただろうなと。
障害者運動が嫌いとおっしゃっていたその気持ちが、あの頃の私には理解できなかったけれど、なぜならあなたは代表だったから、自分で選んだところも少しあったと思っていたので……。今まさに運動を離れて個人としての生活をしている身として、少しだけだと思うけれど、わかる気がしています。
道を違えてしまったけれど、遠くで少しだけ気にかける関係というのが、本来の世間的な人間関係のほとんどなのかもしれません。
今日、懐かしい人達のお顔をたくさんみさせていただきました。声をかけてくださった方もいて、懐かしくてうれしく、元気そうで安心しました。
そして私の心は揺れませんでした。
今の道を選んだことは、良かったんだと思います。
戻りたいとは思わない、人生を歩いているんだと思います。
私たちはあのときお別れをして、もうそれ以来話をしなくなったけれど、
それは私自身が選んだ結果としてずっと死ぬまで心に持っていることなんですよね。
罪悪感を持たず、でもそのとき傷つけてしまった人達がいるということを忘れず、誠実に一歩ずつできる限り前を向いて歩いていくということ。
そういうことが生きるということなんだと、心は整理され、揺れませんでした。
そのことに今日、気づかせてくれたことに、心から感謝をしています。
ありがとう。
午前中の晴れた時間も、全部こじつけて、ありがとうございました。
心安らかに休まれますように、心からおいのり申し上げます。